ジェーン・オースティンの代表作「高慢と偏見 (Pride and prejudice)」の映像作品を視聴したので、原作の翻訳本3つを読んで比較してみました。
1813年の原作ですので、翻訳は長きにわたってたくさん出版されています。
文体から古典っぽい雰囲気があふれでているものから、さりげなく現代の小説のように訳されているものまでさまざまです。
原作は1つなのに、翻訳されるとまったく別の作品のように思えるほどです。
ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」の原作の翻訳本3つ
- 1. 2017年発売「高慢と偏見」
- 2. 2014年発売「自負と偏見」
- 3. 2011年発売「高慢と偏見」
原作が1813年の作品で、翻訳は長年にわたって出版されていますが、比較的新しいものを選択しました
上記の記事で紹介している映像作品は、すべてU-NEXTで視聴ができます。
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ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」の翻訳本3つ
ジェーン・オースティンの「高慢と偏見 (Pride and Prejudice)」の翻訳本はいくつも出ているのですが、そのうち3冊をピックアップしました。
作品名 | 「高慢と偏見」 | 「自負と偏見」 | 「高慢と偏見」 |
発売年 | 2017年 | 2014年 | 2011年 |
出版社 | 中央公論新社 | 新潮社 | 光文社 |
ページ数 | 617ページ | 515ページ | 266ページ |
翻訳者 | 大島一彦 | 小山太一 | 小尾芙佐 |
Kindle版 | あり | あり | あり (Kindle Unlimited) |
書籍へのリンク | 高慢と偏見 (中公文庫) |
自負と偏見(新潮文庫) |
高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫) |
注記 | 1番読みやすい | 上下2巻 |
いずれもKindle で読むことができます。
一番読みやすいと感じたのは、新潮文庫の「自負と偏見」でした。
表紙がアニメっぽいので、小中学生向けに優しく書かれた文体になっているかと思いきや、まったくそんなことはありませんでした。
もしかしたら表紙で損をしているかもしれません。敬遠している人も多いのでは?と思いました。
1. 2017年発売「高慢と偏見」
ここに挙げた3冊の中では、もっとも新しい発売年の2017年の翻訳本です。
- 翻訳者:大島一彦
- ページ数:617ページ
- 出版社:中央公論新社
- Kindle版:あり
翻訳本の文体
文体の引用をしたかったのですが、転載は禁止されているため、箇条書きでお伝えしたいと思います。
- 翻訳にあたっての注釈の章があり、本文の理解に役立つ (これがあるのとないのとでは大違い)
- 表現が古語のよう (例:「云う」、「返辞」)
- ベネット夫人は夫に対してたまに敬語を使う
文体こそ、固い印象を持つのですが、この翻訳本のいいところは、序章として翻訳についての注釈の章があるところです。
イギリス文化の前提を知らない状態で読むと、内容が理解できずにストーリーに置いてきぼりになる可能性大です。
が、この序章で何点か解説してくれているので、スムーズに読み進めることができます。
2. 2014年発売「自負と偏見」
3冊の中で、一番読みやすい印象の本でした。堅苦しい文体が苦手、という方には超オススメです。
- 翻訳者:小山太一
- ページ数:515ページ
- 出版社:新潮社
- Kindle版:あり
翻訳本の文体
文体の引用をしたかったのですが、転載は禁止されているため、箇条書きでお伝えしたいと思います。
- ミセス・ベネット、ミスター・ベネットとの呼称をそのまま使っている
- 読み進めていてひっかかる表現がほぼないので、読みやすい
- 1800年代の本だということを忘れそうになる
3. 2011年発売「高慢と偏見」
3冊の中では、一番古く2011年発売の翻訳本です。
「…なすった」「ご仁 (ごじん)」などという表現があちこちにありますので、途端に古典を読んでいる気分になります。
1813年の気分を味わうのには、ちょうどいいのですが、読みやすさでいうと評価は△です。
- 翻訳者:小尾芙佐
- ページ数:266ページ
- 出版社:光文社
- Kindle版:あり (Kindle Unlimited)
翻訳本の文体
文体の引用をしたかったのですが、転載は禁止されているため、箇条書きでお伝えしたいと思います。
- ミセス・ベネット、ミスター・ベネット、サー・ウィリアムという表現がある (呼称はそのままカタカナにしている)
- ベネット夫人は夫に対して、ほとんど敬語を使う (現代だったら不自然だが、当時の時代背景を考えるとごく自然)
- 文体が少々固いので、古文を読んでいる気分になる。でも意味は分かる
上記の翻訳本は、ご紹介した3冊の中で、唯一Kindle Unlimitedに入っています。
すでに加入済みでしたら無料で読むことができますよ。
「高慢と偏見」の原作を翻訳で読むならどれ?|ジェーン・オースティン・まとめ
当記事では、ジェーン・オースティンの代表作品「高慢と偏見」の翻訳本3つを比較しました。
イチオシは、新潮社の「自負と偏見」です。
表紙にまどわされて小中学生向けかな?と思わずに、ぜひ読んでみてください。
作品名 | 「高慢と偏見」 | 「自負と偏見」 | 「高慢と偏見」 |
発売年 | 2017年 | 2014年 | 2011年 |
出版社 | 中央公論新社 | 新潮社 | 光文社 |
ページ数 | 617ページ | 515ページ | 266ページ |
翻訳者 | 大島一彦 | 小山太一 | 小尾芙佐 |
Kindle版 | あり | あり | あり (Kindle Unlimited) |
書籍へのリンク | 高慢と偏見 (中公文庫) |
自負と偏見(新潮文庫) |
高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫) |
注記 | 1番読みやすい | 上下2巻 |
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