ダウントンアビー｜副執事トーマスの病気は何だったのか？

U-NEXTでダウントンアビーを連日視聴しています。

全6シーズンありますが、完走まであと少しなので、もともと1.4倍速で視聴していたのをさらに速めて1.6倍速で視聴しています。

字幕があるので大いに助かっています (吹替より字幕の方が、コンパクトに翻訳されているからです)。

さて、シーズン5・第6話で、副執事のトーマスが具合が悪くなり、バクスターに珍しく助けを求めるシーンがあります。

そのシーンより前から、トーマスが顔色が悪く、グランサム伯爵一家の面々や、侍女アンナから心配する声が上がっていましたが、何でもないの一点張りでした。

トーマスがどんな病気にかかっていて、その原因は何だったのかを調べてみました。

トーマスがかかっていたのは感染症

トーマスが病気になった原因は、

でした。

トーマス本人は、購入した液体が生理食塩水だとは知らず、しかもそれが滅菌されていないことも気付かずに注射し続けたために、注射した箇所が腫れあがり、赤くなっていました。

おそらくホルモン治療だと偽って、生理食塩水を売りつける詐欺にひっかかったのだと思われます。

診察をしたクラークソン医師によれば、繰り返し注射をすることで、発熱や膿瘍の恐れがあるということでした。

では、なぜトーマスはホルモン治療 (中身は生理食塩水) を自分に注射していたんでしょうか？

トーマスは同性愛者の自分を変えようとしていた

シーズン1から、トーマスが同性愛者ということは明らかになっていましたが、その性的指向を自分で変えようと、雑誌の広告 (“Choose your own path” = 「自分の道は自分で選べる」) を見て、

を受けていました。

現代なら、ホルモン治療や電気療法で性的指向が変わることはないことは明らかです。

でも、当時はそういった方法が実際に存在していたようです。

1981年以前の米国および西ヨーロッパで転向療法に用いられた技術には、アイスピックによるロボトミー、ホルモン療法による化学的去勢、「手および/または性器への電気ショックの適用」、「ホモエロティック刺激の提示と同時に投与される悪心誘発薬」のような嫌悪療法、マスターベーションの再製が含まれていた。

引用元：転向両方についてのWikipedia

1981年以前には、電気ショックを体に与えるという療法があり、さらには、アイスピックのような器具を大脳前頭葉部分に到達させ、神経繊維を無造作に切断するという療法もあったようです。

底意地の悪いトーマスですが、こんな時代に生まれていなかったら、もっと楽に生きられたかもしれません。

イギリスでは1967年まで同性愛は違法

ダウントンアビーの舞台となっているのは、1912年～1928年頃のイギリスですが、この時代は同性愛は違法でした。

その同性愛が合法になったのが、以下の年でした。(実に40年以上後！)

ダウントンアビーのストーリーでも、トーマスが同性愛絡みの犯罪者として捕まりかけるシーンもありましたね。

現代でも、同性愛者にとって生きやすい時代だとは言い切れませんが、1900年代初頭のイギリスにおいて、かなり生き辛い時代だったということですね。

他に人が居ない状態での成人男性間の性交渉について1967年のイングランドおよびウェールズでは合法とされ、スコットランドでは1980年に、北アイルランドでは1982年にそれぞれ合法となった。

引用元：ソドミー法についてのWikipedia

隙あらば誰かをおとしめようとしているトーマスでしたが、人知れず、同性愛者としての悩みも大きかったのでしょう。

自分で何とか治療したい (←現代なら病気とは思われませんが) 一心で、藁をもすがる気持ちで雑誌広告に騙されてしまったということですね。

そういえば、戦後に小売業を始めようとして偽物の商品をつかまされたという過去もありました。

ダウントンアビー｜副執事トーマスの病気は何だったのか？・まとめ

ダウントンアビーシーズン5・第6話で、副執事トーマスがかかった病気は、

でした。

同性愛者であることを悩みに悩んだトーマスが選んだのが、電気療法とホルモン治療 (注射の中身は生理食塩水) でした。

身近な人をおとしいれようとするトーマスに、少しばかり同情した第6話でした。

なお、ダウントンアビーシーズン1～6と劇場版は、U-NEXTで配信中です。

U-NEXTなら、最初の31日間は無料でお試しできますので、31日間楽しんだあと、継続するか解約するか決めることができます。

ダウントンアビーのドラマ作品や劇場版を見ながら、当時のイギリスの時代背景を学ぶきっかけにしてみませんか。ドラマの中に、勉強になることがたくさん埋もれています！