ダウントンアビー｜カトリックが敬遠される理由とは？

全6シーズンという長編のイギリスドラマ、ダウントンアビーを視聴しています。

世界史をまじめに学習してこなかった私は、ダウントンアビーをきっかけに、イギリスという国の歴史や宗教についても少し知識が深まった気がします。

さて、今回は、クローリー家の三女シビルが出産した女児の洗礼に関連して、疑問に思ったことがあったので記事にしました。

シビルの夫であるトム・ブランソンが自身の教派であるカトリックで洗礼を行おうとしたところ、グランサム伯爵をはじめとする貴族らから、カトリックに反対する旨の発言がありました。

イングランドって、カトリックじゃなかったんですね。

イングランドの国教はカトリックではない

イングランドの国教は、カトリックではなく、

です。

もともと、カトリック教会の一部ではあったものの、あることをきっかけにカトリック教会とは袂たもとを分かち、イングランド国教会が創設されました。

カトリックではないとはいえ、反カトリックとも言えず、中身はカトリックの性質をそのまま保っているようです。

その背景を次のセクションでみていきます。

イングランド国教会創設の時系列

イングランド国教会創設のきっかけは、ダウントンアビーの時代からさかのぼること約400年、テューダー朝第2代のイングランド王ヘンリー8世でした。

ちょっと長いので3行にまとめると、

ヘンリー8世自身は、1538年に教皇から破門となっていますが、もうイングランド国教会を創った後だったので、「そんなの関係ないし」って思っていたかもしれません。

というわけで、イングランドはもともとカトリックだったのが、イングランド独自のイングランド国教会というものが1534年にできたということです。

アイルランドの宗教は？

シビルの夫であるトム・ブランソンはアイルランド人でカトリック教徒ですが、1900年代初頭のアイルランドの宗教はどうだったんでしょう。

なお、ダウントンアビー・シーズン3は、1920年～を対象としています。

アイルランド独立戦争（1919年 – 1921年）が終わり、1921年12月6日英愛条約が締結され、1922年12月6日アイルランド自由国が成立、イギリスの自治領となる。ただし北部アルスター地方の6県は北アイルランドとしてイギリスに留まる。

引用元：Wikipedia「アイルランド」

シーズン3の時代のアイルランドは、アイルランド独立戦争中もしくは戦争後ですが、ドラマの中でたびたび、シビルとトムがアイルランドへ行くことを「帰国」と言っていたので、アイルランドが独立した後だったかもしれません。

1922年のアイルランド独立により、カトリック教会に対する差別が解消されたことで、カトリック色が強まっていったと思われます。

ダウントンアビー｜カトリックが敬遠される理由とは？・まとめ

ダウントンアビーのストーリーの中で、カトリックが敬遠される理由についてご紹介しました。

イングランド王ヘンリー8世が独自にイングランド国教会を創設したため、カトリック教会とは袂を分かつ形となりました。

そのため、ダウントンアビーのお話の中でも、グランサム伯爵一家の宗教はカトリック教会ではなく、イングランド国教会となっています。

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